教授挨拶

2021年1月に北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室教授に就任いたしました。志賀亮先生、岩下健三先生、三浦祐晶先生、大河原章先生、清水宏先生に次ぐ第六代教授となります。当教室は開講以来、90年以上にわたって世界の皮膚科学の発展をリードし、地域医療の充実に貢献してきました。この歴史と伝統を継承するとともに、これからの時代の変化に柔軟に対応し、新しい皮膚科学を切り拓いていくために全力を尽くす所存です。

当教室のコンセプトは「皮膚科学を楽しみ、医学の発展に貢献する」ことです。皮膚科学は皮膚や粘膜、爪、毛髪など身体の表面に出現した病変を診断し治療する学問ですが、そこには皮疹を見た目で診断する技術のみならず、皮疹から全身疾患を見出す知識や、皮膚病変を切除する外科的手技、病変部で生じている変化を読み解く病理学、そして疾患の背後に潜む発症メカニズムの解明といった「無限のサイエンス」が広がっています。教室員にはまずしっかりと皮膚科学の基本を習得してもらい、その上で自分の得意分野を作り、それをとことん追求していって欲しいと願っています。そのために必要な教育システムの構築に全力で取り組んでいきます。教室員全員が皮膚科学を楽しみながら臨床や研究の第一線で活躍できる教室を作ることが目標です。そしてこれらの取り組みが「患者さんに最良の医療を提供する」という医療者としての責務や、「よい教育を学生、研修医、大学院生に提供する」という大学としての責務を果たすことに直結すると信じています。

北海道大学の基本理念である「フロンティア精神」を持って敢然と新しい道を切り拓いていく皮膚科学教室を、夢を求める皆さんとともに作っていくことを楽しみにしています。

Be ambitious!

北海道大学 大学院医学研究院 皮膚科学教室 教授
氏家 英之