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研究紹介

私の学位主論文

氏家韻欣

Altered balance of epidermis-related chemokines in epidermolysis bullosa.
Ujiie I et al., J Dermatol Sci 86: 37-45, 2017.

表皮水疱症に対し、近年、細胞療法が根治的な治療法として注目されていますが、詳細な機序は未だ不明です。
この研究では、骨髄由来細胞の遊走に関与が示唆されているケモカインに着目しました。全国の施設からも血清を提供して頂き、皮膚、表皮角化細胞を用いた実験の結果、患者血清におけるCCL21、HMGB1、CXCL12の値が対照群と比較し有意差があったこと、また、CXCL12とCCL27は罹患面積に応じて変動する傾向があることを示しました。希少疾患である表皮水疱症について45名ものケモカイン解析を行った報告はなく、今回の結果が、今後の効率の良い細胞療法や創傷治癒の機序解明につながる一助となることが期待されます。研究に携わることで、多角的に皮膚科を眺めることができ、その奥深さを再確認することができました。
ご指導下さいました清水教授、藤田先生をはじめ研究室の先生方、実験助手の皆様方に心より御礼申し上げます。

2018年 教室年報(甲子会だより41号)より『私の学位主論文』をダウンロード( 全1ページ:964KB)

大口由香

Gentamicin-induced readthrough and nonsense-mediated mRNA decay of SERPINB7 nonsense mutant transcripts.
Ohguchi Y et al., J Invest Dermatol 138: 836-843, 2018.

リードスルーとは、リボソームによる翻訳時にナンセンス変異が「読み飛ばされる(readthrough)」現象のことで、この現象を用いて遺伝性疾患を治療することが期待されています(リードスルー治療)。しかしながら、全てのナンセンス変異が等しくリードスルーされるわけではないため、リードスルー治療の臨床応用には、リードスルーされやすいナンセンス変異・疾患を見極めることが最も重要です。我々は、様々な理由から長島型掌蹠角化症がリードスルー治療の最適なターゲットであるとの仮説を立て、本論文でこれを実証しました。

非常に明確なストーリーで研究を行い、論文にまとめることができたのも、乃村先生、清水教授を始め、研究室のメンバー、医局の皆様のご指導のおかげと大変感謝しております。我々の論文が遺伝性皮膚疾患の治療に寄与することを願っております。

2018年 教室年報(甲子会だより41号)より『私の学位主論文』をダウンロード( 全1ページ:882KB)

豊永愛恋

C-Terminal Processing of Collagen XVII Induces Neoepitopes for Linear IgA Dermatosis Autoantibodies.
Toyonaga E et al, J Invest Dermatol 137: 2552-2559, 2017.

線状IgA 水疱性皮膚症(LAD) は、17型コラーゲン(COL17) の切断によって生じた新規エピトープに対する自己抗体が病態を引き起こすと示唆されていますが、詳細な機序は不明です。本研究ではLAD 患者自己抗体と類似した抗体を作製し、COL17の立体構造が切断によって変化し、新規エピトープが生じることを裏付けるため、様々な方法を用いて検討を行いました。実際に行った検討の多くが、その仮説を支持する結果を示しました。また、LAD 患者の自己抗体も、 C 末端の切断をうけたCOL17に対して反応性を示すことがわかり、切断に伴って生じる新規エピトープがLAD の発症に関与する可能性を示唆していました。C 末端を短くしたCOL17を用いたELISA法は、簡便なLAD 患者自己抗体の検出システムとしての臨床応用が期待できます。検討を進めるにつれ、仮説を裏付ける結果が揃っていき、指導教官である西江先生の考察の深さを改めて垣間見ることができました。今回の知見がLAD のさらなる病態解明に寄与できることを切に願います。

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渡邉美佳

Type XVII collagen coordinates proliferation in the interfollicular epidermis.
Watanabe M et al., eLife 6: e26635, 2017.

大学院のテーマは、17型コラーゲン(COL17)ノックアウトマウスの表皮における表現型解析でした。既にCOL17の毛包幹細胞における役割は解明されていましたが、毛包間表皮におけるCOL17の役割は不明でした。

当初COL17欠損にて皮膚は薄くなると予測していたのですが、結果は反対でCOL17が欠損するとWntシグナルを介して新生仔期には毛包間表皮が厚くなり過増殖することが明らかとなりました。また、COL17ノックアウトマウスが早老化の表現型を示すことから、加齢時におけるCOL17の動態に着目したところ、基底細胞を取り囲んでいるCOL17が減少し表皮過増殖となることを発見しました。研究は結果が出ない時も多々ありましたが、少しずつ新しい事象を発見できた時の喜びはかけがえのないものでした。 ご指導頂いた夏賀健先生、3階研究室・共著者の先生方、実験助手の皆様、そして清水宏教授に深く感謝申し上げます。

2018年 教室年報(甲子会だより41号)より『私の学位主論文』をダウンロード( 全1ページ:1.6MB)

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